ロードバイクではメジャーなカスタマイズとして、シートポストをカーボン化する方法があります。
シートポストはフレームとサドルを繋ぐ大切な棒。
カーボンシートポストにすることでどのようなメリットがあるのでしょうか?
目次
完成車についてくるシートポストの重量
一般的な完成車についてくるシートポストはアルミ製が多く、重量も350~400g程度あることが一般的。
完成車の場合、頑丈で重たいシートポストが付属することが普通です。
完成車の場合、グレードによっては軽量なシートポストが最初から付いていることもあります。
人気が高いビアンキのフラッグシップモデル、SPECIALISSIMA DISC(CAMPAGNOLO SUPER RECORD EPS 12SP DISC)は値段が税別158万円と高価なロードバイクですが、付いてくるシートポストはFSA K-FORCE LIGHT SB25というカーボンシートポスト。
重量はメーカー値で188gと軽量なものがついてきますが、このシートポストを単体で買おうとすると27,500円(税込)となる高級品。
30万円クラスのロードバイクでも、シートポストはアルミ製で重たくて安価なものになっていることが普通です。
カーボンシートポストのメリット
シートポストをカーボン化するメリットは、主に軽量化です。
軽量化できる
一般的な完成車についてくるシートポストは、重量が350~400g程度あります。
カーボンシートポストの場合、重量は200gを切るようなものが多く、150g~200g程度軽量化できます。
ロードバイクに乗る人は重量を気にする人が多く、僅かな軽量化のためにお財布まで軽量化してしまう人も多数。
シートポストはロードバイクの中でも高い位置にあるため、シートポストが軽量になると低重心化もできます。
ロードバイクの乗り方には、シッティングとダンシングがあります。
シッティングはサドルに座ったままペダルを回す乗り方。
ダンシングは、いわゆる立ち漕ぎのような形で体重をペダルに乗せてグングン進む乗り方です。
ダンシングという名前のように、バイクを横に振ってあたかもダンスしているような乗り方になります。
バイクを横に振る動作があるため、シートポストのように高い位置にあるものが軽量になると、バイクの振りが軽くなる効果も。
カーボンシートポストによる軽量化で、ロードバイクの低重心化と、ダンシングでのバイクの振りが軽くなる効果が望める。
振動吸収の向上
アルミよりもカーボンのほうが振動を減衰する効果が高いとされますが、カーボンシートポストにしたから振動吸収性が向上するかというと、ここはやや難しいところ。
微振動を軽減する効果を感じる人もいますが、一方で振動吸収性の変化を感じないと評価する人もいます。
ロードバイクの振動吸収性については、そのほとんどがタイヤによるとされています。
シートポストをカーボン化することでの振動吸収の変化は、大きく期待しないほうがいい。
カーボンシートポストだから振動吸収が改善するとは限らない。
見た目の満足度
カーボンパーツのほうがカッコよく見えるので、見た目がよくなるメリットも。
高額なブランド製のカーボンシートポストは、見た目の満足度も上がり、所有欲を満たす効果もあります。
アルミ製シートポストは重いのか?
カーボンシートポストのメリットは軽量性が主。
ではアルミ製のシートポストが重いのかと聞かれると、必ずしもそうとは限りません。
台湾ブランドのTNIの場合、アルミ製の軽量シートポストを出しています。
TNI ALU POSTは、27.2mm径のシートポストが164gとなっています。
ビアンキのフラッグシップモデル、スペシャリッシマについてくるシートポストよりも軽量。
TNI ALU POST | 重量 | 値段(税込) |
φ27.2 | 164g | 6,710円 |
φ31.6 | 204g | 7,150円 |
KCNCにもTI PRO LITE(ティーアイ プロライト)というスカンジウム合金製軽量シートポストがあります。
TI PRO LITE | 重量 | 値段(税込) |
27.2mm×350mm | 153g | 15,180円 |
27.2mm×400mm | 169g | 18,480円 |
スカンジウム合金とチタンボルトで軽量化を図っているシートポスト。
TNIもKCNCもアルミの加工では定評があるブランドで、軽量シートポストもあります。
このあたりであれば、カーボンシートポストよりも軽いケースもありますが、見た目がカーボンであることにこだわるなら、カーボンシートポストにするしか方法はありません。
軽量カーボンシートポスト
TNI LW168
TNI LW168はカーボンシートポストですが、名前の通り、重量が168gと軽量になっているのがポイント。
サドルを固定するヤグラはアルミ製で、シートポスト自体はカーボンUD仕上げ。
オフセット量は25mm。
シートポスト径 | 長さ | 重量 | 値段(税込) |
Φ27.2 | 300mm | 168~176g |
10,120円 |
400mm | 202g | ||
Φ31.6 | 300mm | 186g | |
400mm | 219g |
DARIMO T2 SBシートポスト
ダリモはスペインのブランドで、超軽量のカーボンシートポストを出しています。
T2 SBは最も軽いもので85g(φ27.2/250mm)となっており、超軽量がゆえにライダーの重量制限がついており、90キロまでとなっています。
最軽量へのこだわりと、強度を確保するために全て手作りされているという高級シートポスト。
※広い接触面のあるサドルレールが必要です。サドルの形状によっては取付けできないものがあります。
シートポスト径 | 長さ | 重量 | 値段 |
φ27.2 |
250mm | 85g(実測値) |
49,500円 |
300mm | 95.8g(実測値) | ||
350mm | 107.3g(実測値) | ||
400mm | 118g | ||
φ31.6 | 400mm | 115g |
DEDA スーパーレジェロ
パーツブランドとして有名なDEDAのカーボンシートポスト。
オフセット25mmのものからオフセットゼロのものまであり、重量も175gと軽量。
<オフセット25mm>
シートポスト径 | 長さ | 重量 | 値段(税込) |
27.2mm | 350mm | ー | 26,840円 |
31.6mm | 175g |
<オフセット0mm>
シートポスト径 | 長さ | 重量 | 値段(税込) |
27.2mm | 350mm | ー | 26,840円 |
31.6mm | 185g |
チネリ ネオス
人気ブランドのチネリのカーボンシートポスト。
軽量というほどでもないが、税込16,500円とお手軽な値段で買えるカーボンシートポスト。
オフセット量は15mm。
シートポスト径 | 長さ | 重量 | 値段(税込) |
27.2 | 350mm | 235g | 16,500円 |
31.6 | ー |
EASTON EC90 SL
イーストンのカーボンシートポストEC90 SLはオフセット量ゼロと20mmの2タイプ。
シートポスト径 | 長さ | 重量 | 値段(税込) |
27.2mm | 350mm | 200g(オフセット25mm) | 27,500円 |
195g(オフセット0mm) |
EASTON EC70
イーストンの下位モデルのカーボンシートポストで、こちらもオフセット量ゼロと20mmの2タイプ展開で重量はどちらも同じ225g。
シートポスト径 | 長さ | 重量 | 値段(税込) |
27.2mm | 350mm | 225g(オフセット25mm) | 27,500円 |
225g(オフセット0mm) |
安価な中華カーボンは避けたほうがいい
通販サイトで見ると、3000円台など安価なカーボンシートポストも多々あります。
シートポストは体重がダイレクトに掛かるパーツなので、安価なものは折れやすいことがあり、やぐらの精度も低くサドルの固定が甘いこともあるため、いわゆる中華カーボンについては避けたほうがいい。
いかがでしたか?
カーボンシートポストにするのは、主に軽量化目的。
しかしアルミ製シートポストでも軽量なものはあります。
見た目のドレスアップにもなるので、カーボンシートポストはオススメのカスタマイズ。