ロードバイクやクロスバイクを、店舗で買うか、通販で買うかの大きな違い。

近年、インターネット通販で自転車を買う人が増えています。
一般的に、通販で買ったほうが、実店舗で購入するよりも安いことが一般的。
ですので通販で安く買いたいと思う層が一定数いることも事実です。

店舗で買うことと、インターネット通販で買うことには大きな差があります。

使いやすさ

メーカーから実店舗や通販ショップに卸されるとき、自転車は7部組といって70%まで組み立てた状態で届きます。
残り30%は、実店舗で組み立ててお客さんに販売します。

通販の場合、ペダルはお客さんに取り付けてもらうなど一部未完成の状態で届くことが多いようです。
ただし、この組み立て自体は難しいものではありません。

本当の意味での組み立ては、実店舗と通販では大きく異なる部分があるのです。

自転車は道具です。
その道具をどう使うかは購入したお客さん次第。

趣味としてロングライドやレースで使う人もいれば、通勤や通学、街乗りなどの移動の脚として使う人もいます。

人それぞれ体格、足の長さ、手の長さ、身体の柔軟性が異なります。
実店舗では、お客さんが購入した道具を使いやすいように、お客さんの身体に合わせて微調整してくれます。

サドルの高さをあわせるのはもちろんのこと、ハンドルの高さも調整して使うものです。
ブレーキレバーが握りやすいように、レバーの角度や位置を変えることもします。

手が小さい人だと、ブレーキレバーが遠くにあると握ることが困難です。
購入した道具を、お客さんが使いやすいようにセッティングするのが実店舗の役目。
お客さんに実際にブレーキレバーを握ってもらって、使いやすい位置にあるかどうか、きちんとブレーキを掛けることが出来るかどうかチェックしていきます。

実際にお客さんに跨ってもらって、お店の店員さんから見て体勢がどうかというチェックもそうですし、お客さんに「どこかつらいところはありませんか?」などと質問しながら、お客さんの意見も取り入れて最終的に完成させるものです。

ところが通販で購入した場合は、通販の店の「中の人」はお客さんと直接対面することはありません。
そのため、お客さんの身体に合わせて自転車を使いやすくするという工程がありません。

どんな道具でも、購入した人が使いやすいようにするのが当たり前。
机や椅子を買ったら、購入して使う人が使いやすい高さにするのは当たり前。
椅子の高さを変えることは何ら難しいことではありません。

自転車の場合、特にロードバイクやクロスバイクの場合は、知識がないと間違ったセッティングをしてしまいがちです。
サドルの高さを変えるのは素人さんでも出来るでしょうけど、サドルの高さが合っているかについては専門的知識が必要になってきます。

職人さんが仕事で使う工具は、使う職人さんが使いやすいようにカスタマイズされていることも多いです。
自転車も、購入した人が使いやすいようにセッティングする作業が必要なのです。

メンテナンス

ロードバイクやクロスバイクを購入すると、多くの自転車店では「一ヵ月後に一度持ってきてください」と言われます。
これは変速やブレーキのワイヤーが、初期伸びといって最初のうちだけ伸びてしまうため、その調整が必要になるからです。

変速のワイヤーが初期伸びを起こすと、変速が決まりにくくなってしまいます。
おおよそ一ヶ月乗るとかなりワイヤーが伸びるので、その際に調整してあげないと、せっかく買った自転車が使いづらいものになってしまいます。

一度初期伸びを調整すると、それ以降はあまりワイヤーが伸びることはありません。

1ヵ月後に行う初期伸び調整は、ほとんどの自転車店では無料で行います。
また自転車店によっては、簡単なチェック程度では工賃を取らないところもあります。

これが通販で購入した場合には、送り返して初期伸びを調整してもらうわけにはいきませんので、自力でやるしかありません。
そこまで難しいものではありませんが、素人さんにはやや難解かも知れません。

実店舗で購入すれば、メンテナンスで見てもらえたり相談に乗ってもらうことが出来ます。
通販が安い理由は、そのようなアフターケアを一切排除しているからでもあります。

通販で購入するのは、素人さんには向かない

自転車は道具ですので、その道具は購入した人が使いやすいようにセッティングされて整備されていることが必須です。
ある程度自転車整備を自力で出来る人には、このようなセッティングやメンテナンスは難しいものではありません。
しかし素人さんの場合は、どのような兆候がでたら整備する必要があるのか?というタイミングがわからない。

どれが正常で、どれが異常なのかの判別が難しいわけですが、実店舗で購入している場合は持っていけば教えてくれます。
通販で購入した場合には、相談する人がいないという問題が生じてしまいます。

もちろん、通販で購入して、整備は実店舗に持っていくパターンもありますが、その分工賃などで割高になってしまう。

ロードバイクやクロスバイクは、整備方法を間違うと痛い目に遭うことも多い。
一台目は実店舗で購入して、通販を使いたいなら二台目以降にしたほうが無難と言えます。

購入した価格が安くても、整備やメンテナンスでお金が掛かってしまえば意味がありません。
ロードバイクやクロスバイクの場合は、構造がシンプルな分きちんと調整してないと怪我に繋がる恐れもありますので十分注意しましょう。


関連記事

  1. 激安自転車組立の問題点。

  2. クロスバイクには泥除けがない!オススメの泥除けを5選。

  3. ロードバイクやクロスバイクの盗難防止に、ALTER LOCKという選択肢を。

  4. ノーパンクタイヤは全くオススメ出来ないもの。パンクしないことのデメリット。

  5. ロードバイクのブレーキをグレードアップして、安全性を高める。

  6. 自転車の鍵が「硬い」!?スムーズに開かなくなった鍵への対処はどうする?

  7. ママチャリのギシギシチェーン、注油してますか?

  8. クロスバイクやロードバイクを買ったら、1か月後には一度「初期伸び」を調整する。

  9. 「他店購入自転車の修理はお断り」という自転車店も。

  10. パンク修理した翌日にまたパンクしている・・・これは自転車屋のミス?

  11. 安価なクロスバイクやロードバイクは、まともに組むにはお金が掛かることも。

  12. 自転車のベルが壊れていたら違法って知ってた?