自転車に乗って横断歩道を渡るときに、必ず降りて渡る義務があると思い込んでいる方が時々います。
正しい法律解釈を。
自転車は降りて渡る義務がある?
国家公安委員会は、道路交通法を分かりやすく解説するために、交通の方法に関する教則を発行しています。
その中で、このように説明しています。
道路を横断しようとするとき、近くに自転車横断帯があれば、その自転車横断帯を通行しなければなりません。また、横断歩道は歩行者の横断のための場所ですので、横断中の歩行者がいないなど歩行者の通行を妨げるおそれのない場合を除き、自転車に乗つたまま通行してはいけません。
上の画像のように、歩行者が横断歩道を横断しているときは、自転車に乗ったまま横断歩道を通行することは違反になります(道路交通法25条の2第1項)。
このように、横断中の歩行者がいないときには、乗ったままでも構いません。
自転車横断帯があるときは、横断歩道ではなく自転車横断帯を横断する義務があります。
注意した方がいいこと
横断歩道を横断する歩行者に対しては、車両は一時停止して歩行者を優先するルールになっています(道路交通法38条1項)。
一点注意しなければならないのは、横断歩道を横断する自転車に対しては、車両は一時停止義務がありません。
第三十八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
この条文は、一見すると横断歩道を横断する自転車に対しても一時停止義務があると誤解しますが、横断歩道を横断する歩行者と、自転車横断帯を横断する自転車に対して一時停止義務を定めています。
正しいルールを知り、安全な運転を。