自転車を購入したときに、必須ともいえる防犯登録。
防犯登録は法律上、必ず加入しないといけないが、加入しなかったとしても罰則が無いため加入しない人もいる。
防犯登録はしておいたほうが無難。
自転車窃盗の現状
全国で毎年、20万件近く自転車の窃盗事件が起きているといわれている。
警視庁管内(東京都)のデータでは、年々自転車窃盗の件数は減っている。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/
guard/bicycle_bohan.html
令和元年に東京都で発生した自転車窃盗件数は、約3万2千件。
57.6%は、鍵を掛けていない無施錠で盗まれているとなっており、盗まれた場所で最も多いのは住居となっている。
住居には、マンションやアパートなどの駐輪場も含まれている。
データから読み取れるのは、自宅などで、鍵を掛け忘れた状態が最も盗まれやすいと言えるのだ。
どこかへ買い物に行くときにはしっかり鍵を掛けるのに、自宅だと安心しきって無施錠という人もいるのではないだろうか?
自転車窃盗犯の検挙率は、おおよそ5~6%と言われており、決して高い数字とは言えない。
自転車が盗まれた場合には、警察へ行き被害届を出す。
警察はそれを元に捜査して探し出してくれるわけではなく、警察のデータベースに防犯登録番号と盗難されていることを記すだけ。
警察がたまたま職務質問したときであったり、路上に放置されている自転車の防犯登録番号を照会したときに、データベースに盗難情報が載っていれば盗難車であることが分かるだけのシステム。
そのような形で盗難車が発見されれば、警察から持ち主に連絡が行く。
しかし防犯登録されていない自転車だった場合には、警察も盗難車なのかを判別できず、持ち主も不明なので連絡が来る事はない。
防犯登録していない自転車が盗まれたら
もし防犯登録していない自転車が盗まれるとどうなるか?
警察に行っても、話は聞いてくれるものの登録番号が無いためどうしようもなくなってしまうのが現実。
自分にしか分からない傷があるなどと主張しても、多くは取り合ってもらえない。
(保証書を持っていて、保証書に車体番号が記されているなら多少の可能性はある)
近年、盗んだ自転車をネット上で売って利益を上げる人もいる。
ロードバイク等、高級な自転車であれば、盗んでヤフーオークションやメルカリなどに出品する人もいる。
こういうときも、防犯登録していない自転車であった場合、盗まれた自転車とオークションに出品されている自転車の照合が出来ないため、警察はもちろんのこと、オークション管理者も動いてくれないのが実情。
防犯登録するときには、車体番号も合わせて登録する。
盗まれた自転車の防犯登録シールが剥がされていても、車体番号さえ分かれば何とかなる可能性もある。
インターネットオークションの自転車
インターネットオークションでは多数の自転車が出品されている。
この中には、残念ながら盗難車が含まれていることはよくあるケース。
ロードバイクなど高級な自転車の場合、足が付きにくいようにパーツごとに分けて出品することもある。
足が付きにくいよう、出品期間も短めに設定し、かつ匿名配送などを利用するケースもある。
インターネットオークションに出品された中古の自転車も、法律上は防犯登録の加入義務がある(ただし罰則は無い)。
中古自転車の防犯登録をするには、販売者が発行する譲渡証明書が必要になる。
そのため、譲渡証明書を発行できないというものは、盗難自転車である可能性もあるので注意が必要。
オークションで買うときには、車体番号(シリアルナンバー)があるかどうか、譲渡証明書を発行してもらえるかを確認してから買わないと危険。
パーツ単体では防犯登録が出来ないため、高級なロードバイクのフレームだけとか、ホイールだけの場合は注意したほうがいいだろう。
防犯登録してあればチャンスがある
自転車の窃盗は毎年20万件近く発生しているとされているが、検挙率は5~6%程度と低いのが実情。
ただし、犯人は不明ながらも自転車が戻ってくるケースもある。
路上に放置されている自転車のケースなど、犯人は不明だが手元に戻ってくる可能性もゼロではない。
これは防犯登録しているから警察も連絡可能なのであって、防犯登録されていない自転車だった場合には、警察も連絡しようがない。
手元に戻ってきたとしても、ボロボロに壊れていたり、サビだらけになって戻ってくることもある。
防犯登録していればまばチャンスは生まれるが、防犯登録していない自転車が盗まれた場合にはノーチャンスだと思えばいい。
自転車が盗まれる事件では、その約6割が無施錠、つまり鍵を掛けていない状態で盗まれたとなっている。
鍵を掛けるのが一番の盗難対策。
出来れば二つ程度鍵を掛けて、盗まれないように注意したほうがいいだろう。
盗難防止のおすすめの鍵
安いワイヤーロックなどは、ワイヤーカッターがあれば一瞬で切ることが可能。
ママチャリの場合、後輪についている馬蹄錠のみの人が多い。
ロードバイクやマウンテンバイクなど高級な自転車の場合、一般的には室内保管する人がほとんど。
外に停めておけば、自宅でも夜間に盗まれてしまう確率が大きく上がる。
簡単に切れない鍵として有名なのは、ABUS(アブス)のロック。
アブス トレーサーフレックス6615は二重構造のスチールロックになっていて、スチール製インナーケーブルを厚さ15mmのスチール製シェルでカバーした頑丈な作り。
長さも120センチあるので、自転車と柱などの構造物を括りつける、「地球ロック」が可能な長さ。
地球ロックの例。
地球ロックとは、柵や柱など構造物に自転車を固定して、鍵で括り付けること。
ロードバイクの場合は工具なしで車輪を外せてしまうため、前輪と後輪も鍵に絡めて地球ロックしたほうが効果的。
重量は820gと重いので、ロードバイクなどでサイクリングに行くときに持っていくにはあまり向かないが、通勤通学にクロスバイクなどを使っていて、仕事中に駐輪場に長時間停めないといけないような人には人気が高いロック。
ママチャリでも、このような頑丈な鍵を使うことで盗難リスクを大きく下げることができる。
ABUSは自転車用ロックには定評があるメーカー。
U字ロックなどもある。
一般的なママチャリだと、自転車についている馬蹄錠のみにしている人も多いが、どうしても盗まれたくない愛車を守るには、馬蹄錠だけでは心許ない。
複数の鍵を組み合わせて、盗難を防ぐことが大切と言える。
ロードバイクなど高級な自転車の場合は、とにかく目を離す時間を少なくするのが大切。
どんな鍵でも、破壊できない鍵は無い。
自転車が盗まれるのは無施錠が多いことからも、ちょっとくらいならいいかと思う油断が大敵。
いつでも狙っている人がいることを忘れず、ママチャリでも二重のロックを心がけましょう。
防犯登録は、万が一盗まれてしまった場合に、戻ってくる可能性を生むもの。
警察はイチイチ捜査をしてくれることはないが、どこかで放置されていたら、連絡が来る可能性があるので加入していくことをおすすめします。
都道府県によって、防犯登録できる場所が違うことがあります。
中古の自転車でも、近隣の自転車店に持って行けば防犯登録できる都道府県もアルし、警察署に行かないと出来ないケースも。まずは「都道府県名+防犯登録」で検索してみることをおすすめします。