自転車のペダルというと、ママチャリを見ればわかるようにどんなシューズでも使える。
足を乗せるだけなのでシューズを選ばずに使えるのがメリット。
ロードバイクに乗る人のほとんどはビンディングペダルと呼ばれる、シューズとペダルが合体するものを使っている。
目次
ビンディングペダルとは?
スキーは、ビンディングによりブーツと板を固定している。
原理はスキーと同じで、ペダルとシューズを固定することでより効率的にペダリングできるようにしたのがビンディングペダル。
フランスのLOOKというメーカーが開発し、一気に普及しました。
一般的なフラットペダルは、踏み込むときにしかパワーを伝えることが出来ない。
もしシューズとペダルが合体していれば、ペダルを回す360度、どの位置でもパワーを発揮できることから、ペダリングの効率が上がる。
また、踏み込んだ時にペダルの上でシューズが滑ることが無いのもメリットの一つ。
ロードレースなど競技で発展したのがビンディングペダルだが、趣味でロードバイクに乗る人のほとんどはビンディングペダルを使用している。
シューズを嵌めるときは、ペダルの上にシューズを載せて軽く踏み込めば嵌る。
外すときは、足首を外側に捻ることで外すことができる。
シューズをペダルに嵌める動作をステップイン、キャッチするなどと呼び、外す動作をステップアウト、リリースなどと呼ぶことが多い。
単に「脱着」とまとめて呼ぶこともある。
ビンディングペダルの種類
ビンディングペダルは、大別すると2種類ある。
SPD-SL系
ロードレースで使われるのがSPD-SL系と呼ばれるビンディングペダル。
シューズ裏につくクリートの面積が大きく、踏み面が大きいため大きなトルクを発揮できるのが特徴。
あくまでもロードバイクとして走ることに特化したペダル形式なので、歩くことには不向き。
シューズ裏につくクリートが大きいため、出っ張っていて歩きにくい。
純粋にロードレースで競技として使う場合や、走ること自体を楽しみたい人向けと言える。
この形式のペダルは、シマノ、LOOK、TIME、SPEEDPLAYの4社が大手。
多くのサイクリストは、この4社の中から自分好みのものを使う。
専用のシューズが必要で、SPD-SL対応、ロード三つ穴シューズなどと呼ばれるシューズを選ぶ必要がある。
クリートが樹脂製な上に出っ張っている構造なので、クリートが摩耗しやすい。
多くのサイクリストは、半年~1年程度でクリートが摩耗して交換する。
SPD系
元々はマウンテンバイク用として開発されたペダル形式。
このペダルの特徴は、小さなクリートがシューズの裏につくことと、クリートがシューズの窪みに隠れること。
シューズの裏にクリートが出っ張らないため、歩きやすいのが特徴と言える。
現在はマウンテンバイクに限らず、ロードバイク用、街乗り用としても普及している。
こちらも専用のシューズが必要になり、SPD対応シューズが必要になる。
SPD系は金属の小さなクリートがシューズの窪みに隠れるため、SPD-SL系よりもクリートの摩耗が少ない。
数年間クリートを交換せずとも使えてしまうことが多い。
SPD-SL系とSPD系の両方に対応する兼用シューズもあるが、兼用シューズをSPDで使うと、クリートがシューズの裏から出っ張るためSPDの最大の特徴である「歩きやすい」特徴がなくなってしまうので注意が必要だ。
まず、純粋にロードバイクとしての走りを楽しみたいのか、歩くことも重視するのかを決める必要がある。
SPD-SL系 | SPD系 | |
踏み面 | 広い | 狭い |
重量 | 軽量 | やや重くなることが多い |
歩きやすさ | 歩きにくい | 歩きやすい |
クリート | 樹脂製なので摩耗しやすい | 金属製なので摩耗しにくい |
おすすめビンディングペダル7選
SPD系
まずは歩きやすいSPD系から。
SHIMANO PD-ED500
シマノPD-ED500の特徴は、ペダルの両面ともにキャッチできる構造なので、足元を見なくても嵌めることができるのが特徴。
多くのビンディングペダルは片面しか嵌る構造が無いが、両面ともに嵌る構造を持っているため、適当に足を載せても嵌ることが多い。
重量は442gとちょっと重め。
ライトアクションという、脱着が軽くなっているモデルなので初心者さんでも使いやすい。
SHIMANO PD-EH500
PD-EH500最大の特徴は、片面はビンディングペダルになっていて、反対面は通常のフラットペダルとして使える点。
ビンディングシューズではなくスニーカーで使うことができる便利なペダルで、ロードバイクやクロスバイクでも使用者が多い人気モデル。
一般的なビンディングペダルは、片面にしかキャッチできる構造が付いていないが、反対面はスニーカーで乗ることが困難。
PD-EH500の場合は、スニーカーでも乗れる滑り止め加工もしっかりついているのが特徴。
ビンディングに自信が無い人でも、怖いときはフラット側を使えるメリットがある。
重量は383g。
このペダルもライトアクション、ビンディングの脱着が軽くなっているので初心者でも安心して使える。
クランクブラザーズ キャンディ1
クランクブラザーズのキャンディの特徴は、4面キャッチ構造であること。
足元を見ないで適当に踏み込んでも、ほとんどの確率で嵌めることができる。
本来はオフロード用ペダルだが、クロスバイクなどで使う人も多い。
重量は294gと軽量に仕上がっているのもポイント。
クランクブラザーズ エッグビーター1
特徴的な見た目のペダルだが、キャンディ1と同様に4面キャッチ構造なのが特徴。
本来はオフロード用ペダルだが、ロードバイクでも使用者がいるペダル。
重量は290gと軽量なのもポイントだ。
SPD-SL系
SPD-SL系は、ロードバイクとしての走りを楽しみたい人向けのペダル。
軽量でダイレクトなペダリングが可能になる。
SHIMANO PD-R540-LA
シマノのSPD-SLペダルだが、初心者でも安心して使えるように、ステップインとステップアウトがかなり軽い力で可能になっているモデル。
重量は330gとやや重めだが、軽い力で脱着できるのがポイント。
うまく外せるか不安が残る初心者に向くペダルと言っていいだろう。
LOOK KEO CLASSIC3
ビンディングペダルの元祖、LOOKの最廉価モデル、ケオクラシック3。
シマノのビンディングペダルは、LOOKを元にして作られてきた経緯があるため、LOOKとシマノは使用感が似ている。
LOOKはロードバイクでも人気が高いブランドなので、ペダルも人気が高い。
重量は280gと軽量。
TIME XPRESSO2
ロードバイクのフレームブランドとしても人気のTIMEのXPRESSO2。
TIMEのペダルは他社とは異なる特徴があり、独特の左右への遊びを持たせた構造のため膝に優しいと言われる。
脱着も軽く、人気が高いペダルだ。
TIMEのペダルは軽量なことでも知られており、XPRESSO2の重量は230gとかなり軽量。
エントリーグレードのペダルの中では最軽量と言っていいだろう。
初心者はエントリーグレードから
ブランドやモデルにもよるが、高いペダルほど脱着する動作が硬くなっていることが多いため、初心者さんがうまく外せなくて転倒する恐れもある。
エントリーグレードのペダルは初心者さんが使いやすいように脱着動作が軽くなるようになっていることが多いので、まずはエントリーグレードのペダルから入ったほうがいいだろう。
このほかSPEEDPLAYというブランドもあるが、SPEEDPLAYは最初のうちは驚くほど脱着が硬いこともあるため、あまり初心者向きとは言えない。
それぞれペダルにも特徴があるが、まずは歩きやすいSPD系なのか、ロードバイクとしての走りを重視するSPD-SL系かを決めるのがいいだろう。
最初はペダルのデザインで選んでもいい。