駐輪場は自転車窃盗の温床である理由。

駅でも役所でもショッピングセンターでも、自転車を停めるのは駐輪場。
駐輪場は自転車の盗難に遭いやすい場所としても有名です。

駐輪場は自転車盗難の温床

こちらの記事でも、自転車の盗難が多い場所として、駐輪場を挙げています。

https://www2.ctv.co.jp/news/2019/04/06/46715/

警視庁(東京都)のデータでは、自転車盗で最も多かった場所として住宅(43.3%)としており、次いで駐輪場(25.8%)となっています。


https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/guard/bicycle_bohan.html

ただしこのデータ、要注意ポイントがあります。
住宅の中にはマンションやアパート等の駐輪場も含まれていること。
正確な統計はありませんが、やはり駐輪場というのは自転車が盗まれやすい環境であることには間違いないようです。

駐輪場で自転車盗難が多い理由

駐輪場では自転車の盗難が多いと言えますが、その理由は一体なんなのでしょうか?

答えは簡単です。

犯行現場が、第三者に見つかりにくいから。

何かを盗もうとするときに、その現場を誰かに見られたくないもの。
誰かに見られていれば、通報やその場で取り押さえられる可能性が高まってしまう。

駅の駐輪場、役所の駐輪場、ショッピングセンターの駐輪場、マンションの共通していることは、人通りが少ない陰に設置されていること。
ショッピングセンターの駐輪場やマンションの駐輪場は、地下にあることも多い。


役所の駐輪場などは、役所の裏にひっそりと存在することも多い。

市役所の駐輪場は、裏のひっそりとした場所にあることが多く、人通りも極めて少ない。

鍵を破壊しようとしても、誰かに見つかる可能性が極めて低い立地にあれば、犯人も安心して鍵の破壊活動を出来るといえます。

管理人がいる駐輪場もありますが、多くの管理人は巡回して見回っているのではなく、管理人室でヌクヌクしているだけ。
窃盗団を監視しているというよりも、料金管理や「ただいるだけ」が多いのが実態です。
管理人がいるからといって安心できるようなものではありません。

人通りが多い道路上に設置されている駐輪場は、まだ安心です。
人がたくさん通る中、工具を取り出して鍵の破壊活動はなかなか出来ません。
いわば、通行人が監視人みたいな役目になっているとも言えます。

駐輪場での盗難は自己責任

万が一駐輪場に停めておいた自転車が盗まれてしまった場合、駐輪場の運営者は一切責任を負うことはありません。
これはどこの駐輪場であっても同じ。

言い方を変えれば、「盗まれた奴が悪い」となります。
駐輪場の立地を見て、停める・停めないの選択権はあなたにあります。
全てあなたが自己責任で駐輪したわけなので、運営者が責任を取ることはありません。
駐輪場規約にもそのように書いてあることがほとんど。

盗まれてから騒ぎ出しても遅いですし、駐輪場の管理者・運営者に文句を言うのも筋違いと言えます。

特に高額なロードバイク等は、駐輪場に停めてあれば窃盗されやすくなります。
盗んだロードバイクをバラバラにして転売するというのは、よく聞く話です。

逆に、ママチャリは窃盗団のターゲットにはなりづらいと言えます。
ただし、自転車が盗難されたケースで、約7割が無施錠、つまり鍵を掛けずに置いておいたとデータが出ていますので、鍵を掛けずに置いてある自転車については盗難されやすいと言っていいでしょう。

高額な自転車については、頑丈な鍵を掛けておいても、強力な工具で鍵を破壊して転売されやすい。
ママチャリについては、単に盗んだ人の脚として使うために盗んでいる可能性が高いと言えます。

盗難被害を防ぐために

自転車盗難は、駐輪場が最も多いといわれています。
まず、鍵を掛けていないのは論外です。
ママチャリであれば、普通の馬蹄錠を掛けているだけでも盗難被害に遭う可能性は大きく減らすことが出来ます。

ダブルロックも有効な手段。
ママチャリであれば馬蹄錠+ワイヤーロックなどでもいい。

自転車の鍵で定評があるABUSの、安いものでもママチャリの場合は有効です。
ママチャリを盗んでいこうとする場合、転売目的ではなく脚として使いたい場合がほとんどです。
転売しても全く利益になりませんので、鍵を掛けていればわざわざ鍵を破壊してまで盗もうとするケースは少ない。


ロードバイクやクロスバイクの場合、特に高額なロードバイクの場合には転売目的であることが多く見られます。
車種やメーカーにもよりますが、転売で70万近い利益を得ることが出来るようなロードバイクも普通に存在しています。

このような場合、強力な鍵を二本使うというのも一つの手段ではありますが、そもそも駐輪場には停めないことが一番。
通常の工具では破壊できないような鍵もABUSから販売されていますが、大前提として破壊できない鍵は存在しません。
工務店レベルの工具であれば、何とか切断できてしまう。


ちょっとの時間なら大丈夫だろうという油断が、盗もうと思っている人の餌食になりやすい。
盗まれたくない自転車、価値が高い自転車であれば、駐輪場なんかには停めないという選択肢を。

なお、防犯カメラがついている駐輪場だから安心というわけでもありません。
防犯カメラの映像は、駐輪場管理者に開示するように迫っても開示されません。
警察経由じゃないと開示してもらえませんが、そもそも警察は自転車の盗難では捜査をすることがほとんどありません。

自転車が盗まれたら、警察に届け出ると、防犯登録番号を管理しているシステムにその情報を打ち込んでおしまいです。
それ以上捜査してもらえることはほぼありません。

そのため、防犯カメラ映像が残っていてもあまり意味が無く、また写っていても人物特定に至る可能性は極めて低いでしょう。

どうしても高級なロードバイクを駐輪場に停めないといけない場合は、短時間、複数の鍵、頑丈な鍵であることがマスト。
これだけ頑張っても盗まれるときは盗まれてしまうので、高級な自転車ほど駐輪場には停めないことが大切です。

飲食店の場合、ロードバイク用のラックが用意されていることもあります。

店内から自分の自転車が見えるような位置であれば、まだ安心です。
ただし、自転車店でのロードバイクの盗難事例も多いので、鍵を掛けることは必須といっていいでしょう。


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