ロードバイクの走行性能は、フレームのほかホイールが大きく関わる。
人力でペダルを回し、ホイールに伝えて走る乗り物なのだから、ホイールの重量やエアロ性能は重要。
今回は初心者向けに、オススメホイールをチョイス。
目次
ロードバイクのホイール性能
ロードバイクを完成車として買った場合、多くはあまりいいホイールが付いてこない。
10万円前後のロードバイクでは、ホイール重量が前後合わせて2200gくらいあるなどとにかく重いホイールが付いてくる。
20万円くらいのロードバイクでも、前後合わせて2000g近いような重いホイールがほとんどだ。
ロードバイク用ホイールは、軽量性、エアロ性能のどちらかに振ったものが多い。
その中間のバランス型もある。
ホイールの外周部を「リム」と呼ぶ。
リムの高さが高いものをディープリムと呼び、これはエアロ性能を重視したモデルになっている。
ディープリムの場合は、アルミでリムを作ると重くなりすぎてしまうため、カーボン製のリムが多い。
アルミのディープリムは、ほとんど存在しない。
軽量ホイールとなると、このようにリムの高さが低く、リムの軽量性を重視したモデルが多い。
リムが軽いと加速時に足が軽く感じるし、登り坂では有利。
しかしリムのエアロ性能が低いため、脚を止めると失速しやすい傾向にある。
ディープリムの場合は、登り坂では重量面で不利なこともある。
しかし空気を切り裂いていくように加速するので、高速域で脚を止めても失速しづらい。
登りメインのコースであれば軽量リムのホイールが適しているし、平坦メインであればディープリムのほうが有利と言えるだろう。
ブレーキによりホイールも変わる
近年ロードバイク界ではディスクブレーキのものが増えている。
ディスクブレーキ用のホイールと、リムブレーキ用のホイールは全く違うため互換性が無い。
ホイールを買うときは、まず乗っているロードバイクのブレーキタイプを確認してから買うことが大切になる。
なおあまり多くは無いが、ディスクブレーキのロードバイクでもいくつか規格が異なるケースもあるため、「ディスクブレーキ用」となっているホイールでも、全てのディスクブレーキ車に使えるわけではない。
ディスクブレーキ用のホイール規格には、スルーアクスルとクイックレリーズの二種類がある。
これはフレームによって決まってしまうため、まずは乗っているディスクブレーキ車がスルーアクスルなのか、クイックレリーズなのかを確認することが大切だ。
ここ数年で販売されているディスクブレーキ車のほとんどはスルーアクスルだが、ごく一部にクイックレリーズ仕様もあるので注意が必要。
ホイールには「シマノフリー」と「カンパフリー」がある場合がある。
これらの意味は、使っているコンポーネント(変速機など)がシマノなのか、カンパニョーロなのかという意味になる。
カンパニョーロの定番ホイールに、ZONDA(ゾンダ)がある。
これにはシマノフリーとカンパフリーがあるが、あくまでも使っているコンポーネントがどちらなのかという意味なので間違わないようにしたい。
オススメホイール6選
ここからは実際にオススメ出来る定番ホイールを挙げていく。
カンパニョーロ ZONDA
バランス型のオールラウンドホイールとして、名作なのがゾンダ。
重量はリムブレーキ版で1596gと決して超軽量ではないものの、見た目の良さと、比較的安価で買えるホイールの中では性能のバランスがいいことで多くのサイクリストに愛用されている一本。
カンパニョーロでは後輪のスポークの配置を、3本まとめて1つのグループにしている。
これをG3組と呼び、ホイールバランスの向上だけでなく、見た目もカッコイイ。
ディスクブレーキモデルでは、前輪もG3組になっているのもポイント。
ZONDA(リムブレーキ用) | ZONDA DB(ディスクブレーキ用) |
1596g | 1675g |
SHIMANO WH-RS700(RS770)
RS700がリムブレーキ用、RS770がディスクブレーキ用。
このホイールの特徴は、軽量なアルミリムをカーボンでラミネート加工することで軽量化しており、上位ホイールのデュラエースのリムと同様の構造をしていること。
デュラエースのホイールは高価になるが、リムはデュラエース相当ながらハブなどをコストダウンすることで実売7万円程度に抑えてある。
バランス型のホイールだが、リムが軽量なので登り向きとも言える。
チューブレスタイヤを使えるのもメリット(クリンチャータイヤも使える)。
WH-RS700-C30(リムブレーキ用) | WH-RS770-C30(ディスクブレーキ用) |
1540g | 1637g |
MAVIC KSYRIUM SL
名作ホイールとして長年MAVICの代名詞だった、キシリウムエリートの後継版ホイール。
MAVICのアルミリムは軽量かつ高い剛性で知られ、キシリウムSLのリム重量は400gとかなりの軽量。
アルミリムの中でも最軽量の部類と言っても過言ではない。
ホイールの性能としてはバランス型。
リムが軽量なので登りでも効果を発揮する。
カンパニョーロのゾンダよりもワンランク上と思えばいい。
キシリウムSLもチューブレスタイヤに対応する(クリンチャータイヤもOK)。
KSYRIUM SL(リムブレーキ用) | KSYRIUM SL DISC(ディスクブレーキ用) |
1480g | 1550g |
カンパニョーロ BORA WTO45
こちらは高級なカーボンリムのホイールになるが、カンパニョーロではBORAのWTOシリーズ。
WTOはウインドトンネルオプティマイズド、空力を向上させるためのホイールということになる。
カーボンリムなので初心者向きではないが、エアロ性能も十分な迫力ある45mm高、カンパニョーロ独自のG3スポークパターンなど人気が高いモデル。
重量もそこまで重くないので、登りでも使えるが、登りメインの場合は軽量リムのホイールを選択したほうがいいだろう。
平坦メインで登りもちょっとあるようなコース向き。
チューブレスタイヤも対応する(クリンチャータイヤもOK)。
BORA WTO45(リムブレーキ用) | BORA WTO45 DB(ディスクブレーキ用) |
1496g | 1520g |
FULCRUM RACING ZERO
フルクラムの名作ホイール、レーシングゼロ。
レーシングゼロはアルミ製リムのほか、スポークもアルミ製にしているのが特徴。
一般的なホイールではスチール製スポークが採用されるが、ホイールの剛性を高めるためにアルミスポークを採用。
加速性が素晴らしい一方、ホイールは「硬い」ため、脚力が無いライダーだと疲れとして感じる可能性もある。
フルクラムには「レーシング 〇」というアルミリムホイールのシリーズがあるが、数字が小さいほど上位ホイールになっているのが特徴。
RACING ZERO(リムブレーキ用) | RACING ZERO DB(ディスクブレーキ用) |
1518g | 1590g |
カンパニョーロ SCIROCCO
カンパニョーロのシロッコはエントリーグレードのホイールで安価で買えるのが特徴。
重量はちょっと重いが、アルミリムとしては珍しく35mm高のセミディープリムなので、平坦メインで走る人のトレーニング目的としても人気がある一本。
リム高がアルミリムながらも高いので、リム重量は重くなってしまうのが難点。
速度に乗ればゴロゴロ転がって失速しづらいが、登りには不向きといっていいだろう。
SCIROCCO(リムブレーキ用) | SCIROCCO DB(ディスクブレーキ用) |
1775g | 1739g |
ホイールを変えてワンランクアップへ
ホイールはロードバイクの走りを大きく変える魔法のパーツ。
ホイールがいいものになると、乗った感触、加速感が全く違う。
初心者さんではカーボンホイールだと扱いづらい面があるので、最初はアルミリムでいいホイールを選ぶといいだろう。
定番どころのカンパニョーロのゾンダ、MAVICのキシリウムSLあたりが値段と性能のバランスは秀でている。