ロードバイクのチェーンはドンドン伸びていくので、一定の伸びが見られると寿命を迎えます。
ロードバイク用の11速チェーンは、3000キロとも4000キロとも言われますが、少しでも耐久性が高いほうが嬉しいところでもあります。
チェーンが伸びる理由
チェーンはプレート部とリンク部から成り立っていますが、チェーンが伸びるという現象はプレートが伸びるわけではありません。
チェーンを使っているときはリンク部が回転していますが、チェーンを繋いでいるピンが磨耗して細くなっていきます。
その結果、ピンとピンを受け止めている部分に隙間が出来る為、チェーンが伸びたようになっていくのが伸びの正体。
チェーンの伸びを計測する工具で、1%伸びていれば寿命で交換しないといけません。
伸びたチェーンを使い続けると、スプロケットやチェーンリングの歯が偏磨耗していくため、スプロケットやチェーンリングの寿命も早める結果になってしまいます。
11速チェーンの耐久性
WIPPERMANNというメーカーが、各社の11速チェーンの耐久性の試験をしています。
これによると、最も寿命が長いのはWIPPERMANN CONNEX 11SXです。
これによると、シマノ最高峰のデュラエースのチェーンよりも倍以上の距離を走れるという結果になっています。
お値段は実売でシマノデュラエースのチェーンの2倍程度というところなので、費用対効果という点では大きく変わらないかもしれません。
わずかにCONNEX 11sxのほうが費用対効果が高いか、ほぼ同じくらいかです。
この試験では、チェーンが1%の伸びを見せるまでにどれくらいの時間(距離)掛かったのかを検査しています。
CONNEX 11SXが187時間走って1%伸びるのに対し、デュラエース(CN-HG901)は87時間となります。
シマノの11速チェーン、105グレード(CN-HG601)では67時間となっていますので、シマノチェーンの中ではデュラエースが最も寿命が長くなる結果です。
シマノ11速チェーンは、シルテック加工といって表面をフッ素コーティングしてあります。
グレードごとにどこまでをシルテック加工してあるかが異なります。
デュラエース
(CN-HG901) |
アルテグラ
(CN-HG701) |
105
(CN-HG601) |
|
アウターリンク |
シルテック |
シルテック |
シルテック |
インナーリンク | × | ||
ピン | × | ||
ローラー | × | × | |
重量 | 247g | 257g |
シルテック加工することで回転抵抗を減らす効果がありますが、デュラエースのチェーンは全てがシルテック加工されている分、伸びに強いと言えます。
チェーンの費用対効果
1%伸びるまでの時間と、チェーンの値段の関係で見てみます。
値段(A) | 1%伸びるまでの時間(B) | 時間当たりの値段(A/B) | |
CONNEX 11SX | 10,000 | 187h | 53.48 |
デュラエース(HG901) | 5,223 | 87h | 60.03 |
105(HG601) | 3,641 | 67h | 54.34 |
あくまでも定価ベースで見ると、デュラエースのほうが105よりもコストパフォーマンスは下になってしまいます。
しかし実際のところ、デュラエースのチェーンは4000円程度で買える事が多く、105は2700円程度で買えます。
実売価格で見ても105のほうが少しだけ値段と寿命のバランスではいいのですが、これは単に寿命で見た場合の話。
デュラエースのチェーンは回転抵抗が低いため、性能が上であることまで考えたらやはりデュラエースのチェーンを選んでおいたほうが良さそうです。
CONNEX 11SXは実売で8000円程度で買えるため、寿命だけで見ると最もコストパフォーマンスがいいと言えるチェーンです。