自転車店の中にもいろんな考えがある。
顧客第一で修理をする自転車店もあれば、利益優先の自転車店もあるだろう。
本当に顧客のためになる自転車店とは何なのだろうか?
やったこともない修理を試す
例えばパンク修理。
自転車店では経験を元に、パッチ修理で対処できるケースと、チューブ交換が必要になるケースを判断する。
費用面でいうならば、前者のほうが安いことが多い。
通常であればパッチ修理は出来ないと判断し、チューブ交換する事例があったとしよう。
パッチ修理できないと考えるのは、修理してもすぐにパンクするケースだ。
顧客としてはパンク状態から復旧して乗れるようにしてもらいたいのだから、すぐにパンクする恐れがあるときには当然のようにチューブ交換で対処する。
ところが中には、やったことが無いタイプの修理だけど、一か八かでパッチ修理を施工する自転車店もある。
この場合、もし近いうちにパンクが再発しなければ、費用面では顧客の利益になったと言えるかもしれない。
しかし近いうちにパンクが再発したのであれば、顧客としては前回の修理で無駄な時間を費やし、再び自転車店に行く、自転車店を呼ぶ手間がかかる。
さらにその間は自転車に乗れないのだから、顧客の利益を害していると言えるだろう。
通常の自転車店であれば、このような一か八かの修理はしない。
顧客の利益を害する恐れが高いからだ。
時間や手間はお金と変わらない価値がある。
タイムイズマネーという言葉がそれを物語っている。
本当の顧客の利益
顧客はパンク状態から乗れるようにしてほしいと考えている。
その上で、プロとして最もリスクが少ない方法を選んで施行してくれると期待している。
一か八かの修理なんて望んでいないのだ。
もし運がよく、パッチ修理した箇所が何か月も再発しなかったとしよう。
それは博打の世界に過ぎず、単に運がよかったというだけなのだ。
本来であれば、自転車店は初めての修理を顧客に試す前に、自ら練習して、問題が無いことを確認してから施工する。
自らの習熟度を上げてから顧客にサービスを施すべきであって、顧客を練習台にしてはいけない。
本当に顧客の利益を守るということは、そういうことなのだ。
もし顧客が自転車に乗車中にパンクが再発した場合、顧客は重たい自転車を押して帰ることになる。
その手間と労力、時間が利益を害すると言える。
プロとしての自覚の欠如
プロフェッショナルであれば、顧客を使った練習などしない。
顧客はプロのサービスを求めているのである。
本当の顧客の利益を理解していないような自転車店には、修理を頼むべきではないと言えるが、それを見抜くことはなかなか難しい。
顧客の利益に対し真摯に向き合っていない自転車店もあるので、注意が必要と言っていいだろう。
多くの自転車店は、一か八かの修理なんてしない。
やったことが無いタイプの修理であれば、お金を貰って施行する前に、まず練習を重ねてから行うべきなのである。
自転車店の店員は、自らの自転車を使って練習する。
それが当たり前のこと。